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米農家の生き残りをかけた玄米ペーストぱん
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伊佐市の農地と米生産を守りたい
- 鹿児島県伊佐(いさ)市は、鹿児島県の北部に位置し、豊かな自然環境のもとで育つ「伊佐米」で知られる県内屈指の米どころ。市の東南部には世界有数の高品位の金を産出する金鉱石の鉱脈が広がっており、日本の金産出量の大半をここ菱刈鉱山が占めています。
昔から米農家として生計を立ててきた家が多く、高齢化に伴う後継者不足、人手不足、さらにはお米の市場価格低下に長年悩まされてきました。海外の農地のように大規模区画での生産をしようにも、日本の農地は基本的に小区画で、一定以上区画を広げようとすると、農機具や人手が必要になり家内工業だとどうしても限界が来てしまいます。
そこで、平成12年の中山間地域等直接支払制度をきっかけに、32戸の農家が集まって集落営農組織を設立。平成25年には若手メンバーを中心に組織変更し「株式会社 やまびこの郷」を設立しました。 -
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自分たちの作ったお米に付加価値を
- 農家の一番の卸売先である業者にお米を卸すと、市場価格が非常に低く、会社として利益を上げることができないため、自社で玄米の在庫を確保し、利益を出す方法を考え始めます。
最初は精米から。しかし精米だと利益はでるものの販売量が少なく売り上げが十分ではありませんでした。地域の学校などでお弁当やお総菜の販売をはじめるものの、一日に売れる量には限りがありました。さらに一時期流行った「米粉パン」にも挑戦。しかし理想としている米粉パンというのは、米粉だけではパンにならず、小麦約80%に米粉約20%の割合で混ぜこむためお米の消費量はあまり増えないのが難点。結局米粉パンも諦めてしまいます。
思案を繰り返し、調査を続ける中で、熊本県に玄米からパンを作っているお店があるのを知ります。そのお店にノウハウを教えていただいたことで「やまびこの郷」の玄米ぱんは生まれました。
玄米ペーストを使った製パン方法だと、玄米を80%以上の割合で配合することができるため、消費量も高く保つことが出来ます。また、業者を通しての配当ではなく、お米代として業者より高い価格で米農家から直接購入するので、農家からも喜びの声を頂くことが出来ました。 -
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伊佐米「やまびこの郷」
- 「やまびこの郷」は特別栽培基準に従った安心、安全なお米です。
減農薬にこだわり、ほとんど化学肥料を使わない代わりに、れんげ等を使った緑肥や有機質肥料を使い、手間隙かけて作られたお米です。
薩摩の自然が育てた強い大地で生まれる伊佐米の特徴は、噛むほどに美味しいその甘味。
大切に守られてきた伊佐の農地と生産法をこれからの世代へ残し、この美味しさを伝えたい。
そんな想いで、お米を作っています。
当社の玄米ペーストぱんは、「やまびこの郷」の玄米を使用して作っています。お米の生産から製パンに至るまで自社で一貫して行うことで、薩摩の恵みを農家から直接食卓にお届けしています。 -
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玄米ペーストぱんへのこだわり
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農家から届けるからこそ安心して食べていただけるものを提供したい
- 「やまびこの郷」では現在、主原料である玄米はもちろん、その他の材料にもとことんこだわった約25種類の玄米ペーストぱんを販売しています。
全てのパン生地は酸化防止剤などの添加物不使用、卵不使用、さらに鹿児島県産の粗糖を使用し、糖分控えめに仕上げています。バターを使わずエキストラバージンオリーブオイルを使ったプレミアムシリーズも。
例えば夏なら柑橘類など、季節によって仕入れられる素材で作る限定商品も人気です。自社生産の玄米を使用しているため、生産者の顔が見えて安心です。餡などの副材も出来る限り鹿児島県産、なければ九州産、それでもなければ国内産と履歴がしっかりしていることが選定の絶対条件です。 -
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焼き立ての風味をご家庭で味わえます
- 玄米ペーストぱんは、通常の小麦のパンに比べて小ぶりでずっしり。まるでご飯を食べているように腹持ちがよく、食パン1枚で高い満足感が得られます。
一つ一つ手作業で丁寧に成型し、焼き上げた食パンを、そのまま急速冷凍してお送りしますので、ご家庭で自然解凍するだけで焼き立ての風味が戻ります。さらに電子レンジで20~30秒温めるだけで、甘くてふわっふわ、たった今焼きあがったかのようなパンを召し上がっていただけます。
夏には保冷剤代わりに、冷凍のパンをそのままお弁当として持っていき、ちょうど自然解凍されたパンをランチに、というお客さまもいらっしゃいます。また、ご飯を炊かなくていいのであわただしい朝に嬉しく、一度食べておいしさにはまり、常食になっているという方も。
冷凍でお届けすることにより、賞味期限が長く、廃棄量がほとんど出ることなく最後まで楽しんでいただけます。毎日一億個ものおにぎりが廃棄されているという現代、廃棄ロスが少ない提供方法を選択することで、米農家としても嬉しい形を実現しました。 -
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健康を気にするあなたへ。美味しいパンを毎日の食卓に
- 「やまびこの郷」の玄米ペーストぱんはグルテンフリーではなく、パンを膨らませるために少量のグルテンを使用しています。玄米だけだと出来立ては甘くてふわふわですが、時間がたつとどうしても冷ご飯やお餅のように固くなってしまうからです。しかし、小麦の摂取量を減らすことにはつながるため、グルテンの取り過ぎを気にしている方にも喜ばれています。
玄米を食べた後、体の中の血糖値が小麦に比べ緩やかに上がっていくため、血糖値が気になる方にもおすすめ。また、お砂糖は上白糖を使用せず、ミネラルやカルシウムなど栄養価の高い鹿児島県喜界島産の粗糖を使用。健康を気にしてパンを控えている方にも、腹持ちの良い玄米ペーストぱん1個で十分に満足していただけます。
さらに、玄米をまるごとペーストにすることで、完全栄養食とも言われる玄米の栄養素をまるごといただくことができます。消化をサポートする食物繊維や、ビタミン、酵素、抗酸化物質などが豊富に含まれているため、特に女性から喜びの声も頂いています。
一日一食取り入れるだけで、体調を整えたい方だけでなく、いつまでも美しさを保ちたい方にも嬉しい玄米ペーストぱんです。 -
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お米の新しい消費の仕方への挑戦
- 今回のクラウドファンディングの目的は、玄米で新しい生地をつくるための製パンの設備費と、新型コロナウイルス感染対策のための店舗の改装費を調達することです。新しい製パン設備とは、クロワッサンやデニッシュの生地をつくる機械。同じ玄米ペーストを使い新たなパン生地に挑戦することで、より幅広いパンを製造でき、多くの方に「やまびこの郷」のパンを食べていただける可能性が格段に広がります。美味しく、さらに毎日の健康を応援できるパンをたくさんの食卓にお届けできれば、お米の消費が増え、美味しいお米をつくる農家の未来に光が差します。
形はパン、中身はお米。朝ごはんにお米を食べる家庭がどんどん減っていく中で、お米の新しい楽しみ方をこれからも提案していきます。素材にこだわり開発してきた玄米ペーストぱん、米農家の生き残りをかけた新たな技術チャレンジへの応援をお願いいたします! -